宮古島 採用ノウハウ 石垣島

観光業の閑散期にスタッフを手放さないために|宮古島・石垣島の冬の過ごし方と繁忙期の採用準備

「島の採用がうまくいかないとき」の全体像は、宮古島で採用する方法・石垣島で採用する方法・採用がうまくいかない5つの課題と解決策で解説しています。

宮古島・石垣島の観光業は、夏の繁忙期と冬から春先の閑散期で、忙しさが大きく変わります。閑散期にシフトが減ってスタッフが辞め、春になってから慌てて求人を出す。その繰り返しに悩んでいる事業者は少なくありません。

この記事では、宮古島の月別の観光客数をもとに島の繁閑を確認したうえで、閑散期にスタッフを手放さないための工夫と、夏の繁忙期に間に合わせるための採用スケジュールをまとめます。

島の繁閑を数字で見る

宮古島観光協会のサイトで公開されている「宮古島観光動態レポート」によると、2024年度(2024年4月〜2025年3月)の宮古島の月別の入域観光客数は次のとおりです。

月 入域観光客数
4月 90,264人
5月 82,934人
6月 94,942人
7月 121,736人
8月 132,112人(年間で最多)
9月 106,868人
10月 99,187人
11月 91,446人
12月 101,111人
1月 99,813人
2月 75,874人(年間で最少)
3月 96,584人
年度合計 1,192,871人

出典:宮古島観光動態レポート(2025年12月度 実績報告資料、宮古島観光協会のサイトで公開)

いちばん多い8月といちばん少ない2月では、観光客の数に約1.7倍の差があります。現場の感覚としては、夏休みの7〜9月が山、2月と5月(ゴールデンウィーク明け)が谷です。

一方で、冬も月に7万〜10万人の観光客が来ています。同じレポートでは、2025年12月の入域観光客数は108,816人で、前年同月より7.6%増えました。冬でも「お客さんがいない」わけではなく、夏ほどの人手は要らない、という状態です。だからこそ、冬に人を減らしすぎると、春以降に必要な人数を取り戻すのに苦労します。

閑散期にスタッフが辞めていく理由

閑散期の離職には、だいたい次のような理由があります。

  • 収入が減る:シフトが減り、時給で働くスタッフの手取りが目に見えて減る
  • やることがない:手が空く時間が増え、「ここにいる意味」が感じられなくなる
  • 島の外へ戻る:島外から来たスタッフが、冬を区切りに帰ってしまう
  • 次の仕事が見える:通年で働ける職場や、冬も忙しい業種に移っていく

どれも、閑散期に入ってから手を打っても間に合いにくいものです。秋のうちに「冬の働き方」を決めて、スタッフに伝えておくことが大切です。

閑散期にスタッフを手放さないためにできること

1. シフトを「減らす」のではなく「組み替える」

閑散期に全員のシフトを少しずつ削ると、全員の収入が下がり、全員が不満を持ちます。辞めてほしくない人の勤務時間を先に確保し、短時間で働きたい人とは時間を分けて組むなど、誰の働き方を守るのかを決めてから組み替えるのがおすすめです。

あわせて、冬は誰がどのくらい働くかを、10〜11月のうちに一人ずつ話しておきます。「冬はどうなるんだろう」という不安を早めに消すだけでも、離職は減ります。

2. 空いた時間を「育てる時間」にする

閑散期は、繁忙期には取れない教育の時間を取れる時期です。

  • 接客やサービスの練習、マニュアルの見直し
  • 仕事に必要な資格の取得(取得費用を会社が負担する制度を作る)
  • 新しいメニューや体験プランの準備
  • 先輩スタッフが後輩に教える時間をつくる

「冬はスキルが伸びる時期」と位置づけると、スタッフにとっても閑散期を過ごす意味が生まれます。教育訓練には、国の助成金が使える場合もあります(制度は沖縄離島で使える採用補助金・助成金ガイドで解説しています)。

3. 繁忙期の準備を任せる

夏の準備(備品の点検、予約の受け付け、新しく入る人の受け入れ準備など)を、閑散期のうちにスタッフに任せる方法もあります。準備を担った人は、夏に向けて「自分の仕事」として関わるようになります。

4. ほかの部門や、提携先で働く選択肢

複数の事業をしている会社なら、冬だけ別の部門を手伝ってもらう形もあります。業種の違う地元の会社と組んで、冬の間だけ働き先を融通し合っている例もあります。

雇用を守る制度は「季節の変動」に使えるか

休業手当の一部を国が助成する「雇用調整助成金」は、売上などが前年同期より10%以上減っていることが主な要件です。ただし、例年繰り返される季節的な変動による事業の縮小は対象外とされています。毎年決まって来る冬の閑散期は、そのままでは対象になりにくいと考えてください。

申請を考える場合は、事前に計画届の提出が必要です。自社が当てはまるかどうかは、厚生労働省の雇用調整助成金のページで最新の要件を確かめたうえで、沖縄労働局またはハローワークに相談してください。

夏の繁忙期の採用は、1〜2月に始める

島の採用は、本土より時間がかかります。島外から来てもらう場合は、住まいの確保や引っ越しの準備も必要です。7〜8月の山に間に合わせるには、遅くとも4〜5月には入社してもらい、仕事に慣れてもらう期間を取りたいところです。そこから逆算すると、次のようなスケジュールになります。

時期 やること
10〜11月 冬の働き方をスタッフと話す。今年の夏の振り返り(何人足りなかったか、どの時間帯が回らなかったか)
12月 来年の夏に必要な人数と、求める人を決める。求人票を見直す
1〜2月 求人を出す。島外向けの求人は、この時期に始めると移住の準備に間に合いやすい
2〜3月 面接・内定。住まいの手配(社宅・借り上げなど)を始める
4〜5月 入社・研修。ゴールデンウィーク明けの比較的落ち着いた時期に仕事を覚えてもらう
6月 繁忙期に向けた最終確認。足りない分は短期の募集で補う

求人票の書き方は応募が来ない求人票を改善する8つのポイント、飲食店の繁忙期のシフトの組み方は飲食業が夏の繁忙期を乗り越える採用・シフト管理で詳しく解説しています。

まとめ

  • 宮古島の観光客は、多い8月と少ない2月で約1.7倍の差がある。ただし冬も月に7万〜10万人が来ている
  • 閑散期の離職は、収入の減少・やることのなさ・島外への帰郷が主な理由。秋のうちに冬の働き方を決めて伝える
  • シフトは「減らす」より「組み替える」。空いた時間は教育と繁忙期の準備に使う
  • 雇用調整助成金は、例年の季節的な変動には使いにくい。使えるかは労働局に確認する
  • 夏の採用は1〜2月に始め、4〜5月に入社してもらうのが目安

島の人事部は、宮古島・石垣島の事業所にうかがい、冬の働き方の見直しから、繁忙期に向けた採用・受け入れの準備までを一緒に進めています。「今年の冬はどうしよう」という段階からご相談ください。