宮古島 採用ノウハウ 石垣島

宮古島・石垣島で働く人の住まいをどう用意するか|家賃の状況と社宅・借り上げ・家賃補助の方法

島外から迎える人の住まいを、会社としてどう用意するかを考えている会社向けの記事です。

「島の外から人を迎える(移住・UIターン)」の全体像は、移住支援制度を採用に活かすで解説しています。

島の外から人を採用できても、住む場所が決まらずに入社を見送られたり、入社しても住まいの不安から早く辞めてしまったりする。宮古島・石垣島の採用では、住まいの問題を避けて通れません。

この記事では、島の家賃の状況と、会社が働く人の住まいを用意する方法(社宅・借り上げ・家賃補助)、使える制度、求人票での書き方をまとめます。

この記事の結論

  • 宮古島では民間の家賃が上がり、市が若者向けに市営住宅を用意するほど住まいの確保が難しくなっている
  • 島外から人を迎えるなら、住まいは「本人が探す」ではなく「会社が用意する、または一緒に探す」が前提になる
  • 借り上げ社宅は、家賃の一定額を本人から受け取れば、給与として課税されない(国税庁の基準)
  • 求人票には、住まいの形・本人の負担額・入居できる時期をはっきり書く

島外から来た人が辞める理由に「住まい」が多い

島外から来た人が早く辞めてしまう理由を聞くと、仕事の内容よりも、暮らしの面が挙がることが少なくありません。中でも多いのが住まいです。

  • 家賃が思っていたより高く、手取りに対して負担が大きい
  • 空き物件が少なく、職場から遠い場所や古い物件しか見つからない
  • 家具・家電をそろえる費用や、車・バイクの手配まで手が回らない
  • 来島してから住まいを探すので、最初の数週間が落ち着かない

島の家賃と住まいの状況

宮古島では、ここ数年で民間の賃貸住宅の家賃が上がっています。不動産情報サイトのアットホームが掲載物件をもとに出している相場では、宮古島市のワンルームの家賃相場は約7.2万円です(直近3か月の掲載物件から算出された数字で、時期によって変わります)。

宮古島市は2024年9月、民間賃貸住宅の家賃の高騰で若者が住まいに困っていることを理由に、市営住宅の空き部屋10戸を18〜39歳向けに募集しました。家賃は月2万〜3万円で、県内の市町村では初めての取り組みと報じられています。地価も上がっており、国の地価公示では宮古島市の地価の上昇が続いています。

石垣島でも、観光客や移住者の増加で物件が見つかりにくい状況は同じです。島外から人を迎える会社にとって、住まいは「本人に任せておけば何とかなる」ものではなくなっています。

会社が住まいを用意する4つの方法

方法 内容 向いている会社 注意点
社宅・寮(自社所有) 会社が持つ建物に住んでもらう 毎年まとまった人数を島外から迎える会社 建物の維持費がかかる。入居者がいない期間も費用が出る
借り上げ社宅 会社が物件を借りて、働く人に貸す 人数が年によって変わる会社 物件探しは会社が行う。退去時の原状回復の取り決めが必要
家賃補助(住宅手当) 本人が借りた物件の家賃の一部を手当として出す 島内の人も含め、全員に同じ仕組みを用意したい会社 物件は本人が探すので、島外の人には負担が残る。手当は給与として課税される
入居までの一時的な住まい 最初の1〜3か月だけ会社が用意し、その間に本人が物件を探す 長く住む物件は本人に選んでほしい会社 一時的な住まいの確保(ウィークリー物件など)と、物件探しの手伝いが必要

借り上げ社宅は、本人の負担のしかたで税金の扱いが変わる

国税庁の基準では、会社が社宅や寮を貸す場合、本人から「賃貸料相当額」の50%以上の家賃を受け取っていれば、給与として課税されません。無償で貸すと、賃貸料相当額の全額が給与として扱われます。また、現金で支給する住宅手当や、本人が直接契約している物件の家賃を会社が負担する場合は、給与として課税されます。

賃貸料相当額は、建物と土地の固定資産税の課税標準額などから計算します。本人の負担額をいくらにするかは、税理士や社会保険労務士に確認しながら決めると安心です(国税庁「使用人に社宅や寮などを貸したとき」)。

来島前に決めておくこと

住まいの準備は、内定から入社までの間に済ませておくのが理想です。

  • 入居できる日:入社日の数日前には入れるようにする
  • 契約の名義と費用:敷金・礼金・仲介手数料を誰が負担するか
  • 家具・家電:備え付けにするか、会社が貸し出すか、本人がそろえるか
  • 移動手段:島では車やバイクがないと通勤や買い物が難しい場所も多い。借りられる車があるか、購入までの手助けをするか
  • 引っ越しの費用:会社が負担するか、上限を決めて補助するか
  • 相談先:住まいや暮らしで困ったときに、誰に相談すればよいか

住まいの費用を軽くする制度

移住支援金(石垣市)

東京23区などから地方へ移住して就業した人に、国と自治体が支援金を出す制度です。沖縄県によると、2026年度にこの事業を実施しているのは石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村で、宮古島市は含まれていません(2026年4月1日時点)。支給額は単身60万円、2人以上の世帯100万円で、18歳未満の子ども1人につき最大100万円が加算されます。

就業の場合は、県のマッチングサイトに掲載された「移住支援金対象求人」に就職することなどが要件です。石垣島の事業者は、求人を対象求人として登録しておくと、島外から応募する人の後押しになります。要件や受付状況は、沖縄県の移住支援金のページと石垣市の窓口で確認してください。

市営住宅(宮古島市)

前述の若者向けの市営住宅のように、市が住まいの支援をする場合があります。募集の時期や条件は年によって変わるため、宮古島市の発表を確認してください。

移住と採用を組み合わせる方法は、移住支援制度を採用に活かす方法でも解説しています。

求人票での住まいの書き方

島外から応募する人が最も知りたいのは、「住む場所はあるのか」「いくらかかるのか」です。求人票には、次の点をはっきり書きます。

  • 住まいの形(社宅・借り上げ・住宅手当・一時的な住まいなど)
  • 本人の負担額(例:家賃のうち月○万円を本人負担)
  • 入居できる時期と、家具・家電の有無
  • 職場までの距離と、通勤の手段
  • 引っ越し費用の補助の有無

「住居相談可」だけでは、応募する側は判断できません。具体的に書くほど、島外からの応募は増えます。求人票全体の見直し方は、応募が来ない求人票を改善する8つのポイントをご覧ください。

まとめ

  • 宮古島では家賃が上がり、市が若者向けの市営住宅を用意するほど住まいの確保が難しい
  • 島外から人を迎えるなら、社宅・借り上げ・家賃補助・一時的な住まいのどれかを会社として用意する
  • 借り上げ社宅は、本人から賃貸料相当額の50%以上を受け取れば給与として課税されない
  • 石垣市は移住支援金の対象(2026年度)。宮古島市は対象外
  • 求人票には、住まいの形・本人の負担額・入居時期を具体的に書く

島の人事部は、宮古島・石垣島の事業所にうかがい、島外から人を迎えるための住まいや暮らしの準備から、入社後の定着までを一緒に進めています。「住まいをどう用意すればよいか」という段階からご相談ください。

出典:アットホーム 宮古島市の家賃相場/琉球新報 2024年9月28日(宮古島市の若年者向け市営住宅)/国税庁 タックスアンサー No.2597/沖縄県 移住支援金のページ(2026年4月1日時点)