宮古島・石垣島の事業者が令和8年度に使える主な補助金・助成金を、やりたいこと別にまとめました(2026年10月時点)。気になる制度を押すと、詳しい説明に移ります。
申請期限が近い制度:業務改善助成金(沖縄県は2026年11月30日まで)
時給を50円以上上げて、仕事の効率を上げる設備などを入れると、費用の4/5または3/4が助成されます。交付決定の前に買った設備は対象外です。この記事の説明へ/業務改善助成金の詳しい記事へ
やりたいことから探す(早見表)
| やりたいこと | 使える制度 | もらえる額の目安(中小企業) |
|---|---|---|
| 人を雇う | 特定求職者雇用開発助成金 | 60歳以上の方・母子家庭の母など1人60万円(障害のある方は120万円〜) |
| まず試しに雇ってみる | トライアル雇用助成金 | 月4万円×最長3か月 |
| パート・契約社員を正社員にする | キャリアアップ助成金 | 1人80万円(重点支援対象者)、それ以外は40万円 |
| 評価・賃金の制度や職場環境を整える | 人材確保等支援助成金 | 1制度20万〜40万円(上限80万円)、機器の導入は費用の1/2(上限150万円) |
| 外国人が働きやすい職場にする | 人材確保等支援助成金(外国人労働者) | 措置1つにつき20万円(上限80万円) |
| 賃上げに合わせて設備を入れる | 業務改善助成金 | 費用の4/5または3/4(上限30万〜600万円) |
| 勤怠・給与・採用のITツールを入れる | デジタル化・AI導入補助金 | 通常枠5万〜450万円(補助率は原則1/2) |
| 販路開拓・採用PRをする | 小規模事業者持続化補助金 | 通常枠50万円(特例で最大250万円)、補助率2/3 |
この表は、印刷して使えるA4の早見表(PDF・無料)でも受け取れます。金額や条件は年度の途中でも変わるため、申請前に各窓口で最新の要件を確認してください。
目次
採用補助金と採用助成金の違い
「補助金」と「助成金」はよく混同されますが、制度の設計が異なります。
| 項目 | 補助金 | 助成金 |
|---|---|---|
| 財源 | 国・県・市の予算(有限) | 雇用保険料(労使が負担) |
| 採択 | 審査あり・採択率あり | 要件を満たせば原則全件支給 |
| 申請タイミング | 公募期間中のみ(年1〜2回が多い) | 雇用後に申請(期限あり) |
| 受け取り方 | 事業完了後に精算払い | 支給申請後に振込 |
| 代表例 | IT導入補助金・小規模事業者持続化補助金 | 特定求職者雇用開発助成金・キャリアアップ助成金 |
採用活動に最も直結するのは助成金です。採用した人材の属性(年齢・障害・長期失業等)や雇用形態(正社員転換等)によって助成金が支給されます。補助金は採用ツール導入・求人広告費の一部に使えるケースがあります。
島内事業者が使える採用関連助成金10選
※金額は2026年10月時点で、厚生労働省・沖縄労働局などの資料で確認したものです。年度の途中でも変わることがあるため、申請前に各申請先で最新の要件を確認してください。
1. 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
ハローワークなどの紹介で、60歳以上の高年齢者・障害者・母子家庭の母などを雇い入れた場合に支給される助成金です。中小企業が週30時間以上で雇う場合、高年齢者や母子家庭の母などは1人あたり60万円(30万円×2期)が支給されます。宮古島・石垣島のハローワークで相談できます。
- 支給額:中小企業 60万円/人(高年齢者・母子家庭の母など)、障害者は120万円、重度障害者などは240万円
- 注意:紹介を受ける前に面接などの選考を始めていると対象外。令和8年4月から賃金台帳の提出が必須に、5月からは60歳以上を雇う場合にハローワーク等の個別支援を受けていることが要件に加わりました
- 申請先:沖縄労働局(ハローワーク宮古・八重山で相談可)
2. キャリアアップ助成金(正社員化コース)
有期雇用労働者(パート・アルバイト・契約社員)を正社員に転換した場合に支給されます。中小企業の場合、重点支援対象者(雇い入れから3年以上の有期雇用労働者など)は1人あたり80万円(40万円×2期)、それ以外は40万円です。令和8年4月8日からは、転換に関する情報を公表した場合の加算(20万円)も新設されました。
- 支給額:中小企業 有期→正社員 80万円(重点支援対象者)/40万円(それ以外)。大企業はそれぞれ60万円/30万円
- 条件:就業規則に正社員転換制度の規定が必要
- 申請先:沖縄労働局
3. トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
就職経験が少ない人・長期失業者を試行雇用(最長3ヶ月)した場合に、雇用期間中の賃金補助として支給されます。採用のハードルを下げる効果があり、島外からの移住者採用にも活用できます。
- 支給額:月額4万円×最長3か月(1人あたり最大12万円。母子家庭の母・父子家庭の父は月額5万円)
- 条件:ハローワークの紹介が必要
- 申請先:ハローワーク宮古・八重山
4. 人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)
賃金規定制度・諸手当制度・人事評価制度などの雇用管理制度や、業務の負担を軽くする機器を新たに導入し、離職率の低下目標を達成した事業主に支給されます(2025年4月に旧コースを統合して新設)。
- 支給額:雇用管理制度の導入 1制度あたり20万〜40万円(上限80万円)、業務負担軽減機器等の導入 費用の1/2(上限150万円)。賃金を3%以上引き上げると加算あり
- 条件:導入後の離職率の低下目標を達成すること
- 申請先:沖縄労働局
5. 業務改善助成金
事業場内で最も低い賃金を50円以上引き上げ、生産性を上げる設備投資等(機械設備・システムの導入など)を行った場合に、費用の一部を助成します。採用強化に向けた賃上げと業務効率化を同時に進める際に活用できます。
- 支給額:設備投資等の費用の4/5(事業場内最低賃金が1,050円未満)または3/4。上限は引き上げ額と人数により30万〜600万円
- 申請期限:令和8年度は、沖縄県では2026年11月30日まで(地域別最低賃金の発効日の前日か11月30日の早い方)。交付決定の前に設備を導入すると対象外
- 申請先:沖縄労働局
6. 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
外国人労働者を雇用する事業主が、通訳費や翻訳機器の導入、社内マニュアル・標識の多言語化、苦情・相談体制の整備など、働きやすい環境を整えた場合に支給されます。
- 支給額:措置を1つ導入するごとに20万円(上限80万円)
- 申請先:沖縄労働局
※地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)は、宮古地域・八重山地域の計画が2024年3月31日で終了しているため、2026年10月時点では宮古島・石垣島は対象外です。
7. デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
採用管理システム・勤怠管理システム・給与計算ソフトなどのITツール導入費用を補助します。2026年度から「IT導入補助金」が「デジタル化・AI導入補助金」に名前を変え、AIを含むツールも対象になりました。
- 補助額:通常枠 5万〜450万円(補助率は原則1/2、最低賃金近くで雇う従業員が多い事業者は2/3)
- 対象ツール:事務局に登録されたITツールのみ(登録されたIT導入支援事業者と一緒に申請)
- 申請先:事務局(オンライン申請)。締切は回ごとに異なります
8. 小規模事業者持続化補助金
商工会議所・商工会の支援を受けて経営計画を作成し、販路開拓・業務効率化に取り組む小規模事業者への補助金です。求人広告費・採用PR用チラシ・会社説明会の開催費用なども対象になる場合があります(販路開拓目的の場合)。
- 補助額:通常枠 50万円(賃金引上げなどの特例で最大250万円)、補助率2/3
- 申請先:地域の商工会議所・商工会
9. 沖縄県・宮古島市・石垣市の独自の支援
国の制度のほかに、沖縄県や宮古島市・石垣市が、移住や住まい、雇用に関する独自の支援を設けていることがあります。内容は年度ごとに変わるため、市役所・県の担当窓口で最新の情報を確認してください。観光関連の事業者は、沖縄県の観光人材確保・定着支援事業も使える場合があります。
10. 雇用調整助成金
売上の減少などで従業員を休業させ、雇用を維持した場合に、休業手当の一部が支給されます。採用助成金ではありませんが、採用した人材を守るための制度として知っておくと安心です。ただし、毎年決まって来る閑散期のような季節的な変動による休業は対象外です。
- 支給額:休業手当等の2/3(中小企業)、1/2(大企業)。上限あり
- 申請先:沖縄労働局(事前に計画届の提出が必要)
採用補助金・助成金申請の全体フロー
| フェーズ | やること | 注意点 |
|---|---|---|
| 採用計画の策定 | どの制度を使うか事前に確認 | 助成金は採用「前」の計画段階での確認が必要なものもある |
| 求人票の作成・掲載 | ハローワーク・Indeedなどに掲載 | 特定求職者雇用開発助成金はハローワークなどの紹介による採用が必要 |
| 採用・雇用開始 | 雇用契約書・労働条件通知書を整備 | 書類不備は後の申請で問題になる |
| 支給申請(雇用後) | 支給申請書・添付書類を提出 | 申請期限を守ること(遅延は不支給) |
| 支給決定・振込 | 審査後に支給決定通知が届く | 支給まで数ヶ月かかるケースが多い |
- 助成金の申請期限を過ぎてしまう(採用日から起算して〇日以内、という規定が多い)
- 就業規則・賃金規程が整備されていない(キャリアアップ助成金は就業規則の規定が必須)
- ハローワークなどの紹介を受けずに採用した(特定求職者雇用開発助成金は対象外になる)
- 雇用形態・賃金の条件が要件を満たしていない(最低賃金以上かどうかも確認)
2026年に注目の新設・拡充制度
2026年度(令和8年度)に変わった主な点です(2026年10月時点)。
| 制度 | 変更内容 | 事業者への影響 |
|---|---|---|
| キャリアアップ助成金 | 正社員化コースに「情報公表加算」(中小企業20万円)を新設(令和8年4月8日〜) | 正社員転換の情報を公表すると加算が受けられる |
| 特定求職者雇用開発助成金 | 賃金台帳の提出が必須に。60歳以上の雇い入れはハローワーク等の個別支援が要件に | 採用前の手順の確認がより大切に |
| 業務改善助成金 | 事業場内最低賃金を50円以上引き上げることが条件。沖縄県の申請期限は11月30日 | 12月2日の最低賃金改定に合わせた賃上げに使える |
| デジタル化・AI導入補助金 | IT導入補助金から名前が変わり、AIツールも対象に | 採用・労務管理のツール導入に使える |
採用補助金を最大限活用するための3つの原則
助成金は採用後の申請が基本ですが、要件の多くは「採用前の計画段階」から始まります。採用を決めたらまず最寄りのハローワーク・商工会に相談してください。
雇用契約書・出勤簿・賃金台帳・労働条件通知書は採用初日から正確に整備します。申請時に過去分の書類を作成しようとしても、助成金審査では認められません。
1人の採用に複数の助成金を組み合わせて受け取ることが可能な場合があります(制度によって併用不可の組み合わせもあるため要確認)。社労士に相談することで申請漏れを防げます。
申請時の注意点
補助金・助成金の申請で失敗しないために、以下の注意点を事前に把握しておいてください。
「事前申請」が原則
多くの助成金は、取り組みを始める「前」の手続きが必要です(計画の提出、ハローワークなどの紹介を受けること、交付決定を待つことなど)。始めてからでは間に合わない場合があるため、「これは使えそう」と思った制度は、採用や設備の購入の前に手続きを確認してください。
証憑書類の整備が必須
実績報告時に、取り組みを証明する書類(雇用契約書・給与明細・研修実施記録・領収書など)の提出が求められます。日頃から証憑書類をきちんと整理・保管する習慣が、助成金受給の前提条件です。書類が揃っていないと、申請が通っても受給できないケースがあります。
労働関係法令の遵守状況の確認
雇用関係の助成金は、労働基準法・最低賃金法・社会保険の加入など、労働関係の法令を守っていることが支給の条件です。法令に違反していると支給されない場合があるため、まず自社の労務管理を整えておきましょう。詳しい条件は、各助成金の支給要領で確認できます。
複数補助金の組み合わせ方
補助金・助成金は、原則として同じ経費に2つの制度を重ねて使うことはできません。対象の経費や取り組みが別であれば、複数の制度を組み合わせられる場合があります。
- 使う予定の制度を全部書き出し、それぞれ「何に使うか(経費・取り組み)」を分けておく
- 同じ人を対象にする助成金どうしは、一緒に使えない組み合わせがあるため、申請の前に窓口で確認する
- 補助金は、ほかの制度と同じ経費を対象にできないことが公募要領に書かれているので、申請前に読む
組み合わせられるかどうかは、年度や制度、会社の状況によって変わります。迷ったときは、労働局・ハローワークの窓口や社会保険労務士に相談してください。
社労士活用法
雇用関係の助成金の申請は、社会保険労務士(社労士)に依頼できます。依頼すると、たとえば次のようなことを任せられます。
- 自社の状況に合う助成金の洗い出し
- 計画書・申請書類の作成と提出
- 就業規則など、助成金の条件になる労務管理の見直し
費用や依頼できる範囲は事務所によって異なります。依頼する前に、見積もりと、どこまで任せられるかを確認してください。
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働く側から見た宮古島への移住の支援は、弊社が運営する島しごと図鑑の「宮古島に移住して働くとき、使える支援金はあるか」で紹介しています。雇用保険の移転費や、奨学金の代理返還支援など、島外から人を迎えるときに応募者へ伝えられる制度をまとめています。
よくある質問
Q1. 社員1人を採用するだけでも助成金はもらえますか?
はい。特定求職者雇用開発助成金・トライアル雇用助成金は1人採用でも申請できます。ただし、申請は雇用開始後に行うため、採用前にどの制度が使えるかを確認しておくことが重要です。
Q2. 補助金の採択率はどれくらいですか?
補助金の採択率は制度・申請時期によって異なります。採択率は回によって大きく変わり、公募ごとの結果は各事務局のサイトで公表されています。申請書の計画の具体性・実現可能性が採択に影響します。
Q3. 申請に社労士は必要ですか?
必須ではありませんが、社労士に依頼することで申請漏れ・書類ミスを防げます。特に、初めて助成金を申請する場合や複数の制度を組み合わせる場合は、専門家への相談をおすすめします。
採用補助金の活用と採用戦略の全体設計
補助金・助成金はあくまでも採用コストを削減・回収するためのツールです。まずは採用戦略全体を設計し、その上で活用できる制度を組み込むことが重要です。宮古島での採用方法・石垣島での採用方法の記事とあわせて、採用計画全体を見直してください。
また、申請手続きのステップ別解説はキャリアアップ助成金の申請手順で詳しく紹介しています。
ハローワークでの求人掲載から助成金申請までの具体的な手順は、ハローワーク宮古・八重山の使い方ガイドをご覧ください。


