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【2026年版】宮古島・石垣島の平均賃金データ|業種別相場・最低賃金の改定(1,023円→1,086円)と採用への活かし方

2026年10月 追記:沖縄県の最低賃金は、2026年12月2日から1,086円に引き上げられます(それまでは1,023円)。この記事の 1,023円 の数字は改定前のものです。改定の影響と事業者の対応は「宮古島・石垣島の最低賃金1,086円」で解説しています。

「賃金・最低賃金」の全体像は、最低賃金1,086円(2026年12月改定)の影響と対策で解説しています。

この記事でわかること

・沖縄県の最低賃金が2025年12月に1,023円へ(71円増・過去最大)、2026年12月2日からは1,086円へ(63円増)

・宮古島・石垣島の業種別賃金相場(飲食・観光・介護・建設・農業)

・沖縄と全国の賃金格差がなぜ生まれるか——構造的な背景

・賃上げを「採用力強化」に変える求人票・制度活用の実践策

・活用できる助成金(業務改善助成金・キャリアアップ助成金)

「競合他社より時給を上げれば人が集まる——しかしどのくらいが相場なのか分からない」。宮古島・石垣島の経営者からよく聞く悩みです。

2025年12月1日、沖縄県の最低賃金が1,023円に引き上げられました。引上げ幅は71円と2002年度以降で最大でした。さらに2026年12月2日からは1,086円(63円増)になります。宮古島・石垣島の事業者にとっても人件費の見直しは避けられない局面です。

ただし、この「賃上げの波」は、うまく使えば採用力強化の追い風になります。本記事では、公的統計と求人データをもとに、宮古島・石垣島の賃金相場を業種別に整理し、採用活動への活かし方を解説します。

2025年12月:沖縄県最低賃金が過去最大の引き上げ

2024年(改定前)
952円
沖縄県最低賃金
2025年12月1日〜
1,023円
引上げ幅 +71円
引上げ率
7.5%
2002年度以降で最大

71円の引上げは過去最大ですが、2025年度の沖縄県の最低賃金は全国で最も低い水準でした(全国加重平均:1,121円・2025年度)。物価高騰が続く離島では、労働者の生活コストに最低賃金が追いついていないという側面もあります。

沖縄県 最低賃金の推移

年度最低賃金(時給)前年比増減
2020年(令和2年)792円+2円
2021年(令和3年)820円+28円
2022年(令和4年)853円+33円
2023年(令和5年)896円+43円
2024年(令和6年)952円+56円
2025年12月(令和7年)1,023円+71円(過去最大)
2026年12月2日(令和8年)1,086円+63円

出典:沖縄労働局「最低賃金」公表データをもとに作成

月給制の正社員も対象です:最低賃金はパート・アルバイトだけでなく月給制の正社員にも適用されます。「月給÷1ヶ月の平均所定労働時間」が最低賃金(2026年12月1日までは1,023円、12月2日からは1,086円)を下回っていないか、必ず確認してください。通勤手当・住宅手当・時間外手当・賞与は計算から除外します。

沖縄県の平均賃金——全国との格差の実態

沖縄県の平均賃金は、都道府県の中でも低い水準が続いています(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)。主な原因として、次の3点がよく挙げられます。

  • 中小企業・小規模事業者の比率が高い:県内事業者の99.9%が中小企業。大企業の高賃金が平均を引き上げる全国とは構造が異なります
  • 非正規雇用の割合が高い:非正規で働く人の割合が全国より高い。観光業の季節変動がパート・アルバイト依存の雇用構造を生んでいます
  • サービス業の割合が高い:製造業・重工業などの高賃金業種が少なく、比較的賃金水準が低いサービス業が雇用の大半を担っています
宮古島・石垣島は沖縄県の中でも特に観光依存度が高く、繁忙期と閑散期の賃金差・雇用形態の差が顕著です。統計データは沖縄県全体の数値のため、離島では条件によってさらに変動します。

業種別賃金相場(沖縄県・2024〜2025年データ)

以下は、求人サイトに出ている沖縄県内の求人の月給をもとにした目安です(公的統計ではありません)。

月給(正社員)の業種別相場

建設・土木
約21.7万円
飲食・食品製造
約20.8万円
営業職全般
約20.6万円
観光・宿泊
約19.3万円
医療・介護・福祉
約18.5万円
農業・漁業
約17〜19万円

出典:沖縄県統計資料・求人ボックス「給料ナビ」・Agreマガジン(2024〜2025年データ)をもとに作成。実際の給与は事業者・役職・経験年数により異なります。

時給(パート・アルバイト)の業種別相場

業種 時給相場(目安) 宮古島・石垣島での求人実例
ホテル・宿泊(客室清掃) 1,200〜1,300円 石垣島:客室清掃 時給1,200円〜
飲食(ホール・キッチン) 1,050〜1,200円 石垣島:ラーメン店スタッフ 時給1,100円〜
小売・スーパー 1,050〜1,300円 石垣島:スーパー内調理 時給1,050〜1,300円
介護・訪問サービス 1,050〜1,150円 宮古島・石垣島:初任者研修修了で加算あり
農業・農作業補助 1,023〜1,100円 最低賃金+経験加算が一般的
観光・ダイビング補助 1,100〜1,300円 資格保持者はさらに高め

出典:やいまタイム・マイナビ転職・求人ボックス等の公開求人データをもとに作成(2025〜2026年)。2026年12月2日からは、時給1,086円を下回る求人は出せません。

最低賃金1,023円改定が宮古島・石垣島の採用に与える影響

影響①:既存スタッフの時給が自動的に引き上がる

952円で雇用していたパート・アルバイトスタッフは、2025年12月1日以降は最低でも1,023円以上にしなければなりません。10名のパートが月間80時間ずつ働いている場合、1ヶ月あたり人件費の増加は約56,800円(71円×80時間×10名)となります。年間では約68万円の増加です。

影響②:求人票の「時給」を上回らないと応募が来なくなる

最低賃金が1,023円に上がると、求職者の「最低ライン」の基準も上がります。最低賃金ぎりぎりの時給では「それなら別の仕事を探す」という選択をされやすくなります。地域の求人より少し高い時給にするだけでも、比べている求職者の目に留まりやすくなります。

影響③:扶養の壁問題が顕在化する

時給が上がると、扶養の範囲(社会保険の130万円の壁など)に達するまでの労働時間が短くなります(「106万円の壁」と呼ばれた賃金の要件は、2026年10月になくなりました)。年収の壁は2025年の税制改正でも見直されているため、詳しくは最低賃金1,086円と年収の壁の記事をご覧ください。「もっと働いてほしいのに扶養範囲で抑えられる」という問題が以前より早いタイミングで生じます。

影響④:正社員転換の動機づけになる

一方、最低賃金の引き上げはパートスタッフが「どうせなら正社員で社会保険に入りたい」と考えるきっかけにもなります。キャリアアップ助成金の正社員化コース(重点支援対象者は最大80万円)と組み合わせると、人件費増加を助成金で補填しながら定着率を高めることができます。

賃金データを「採用力」に変える4つの実践策

実践1:求人票に「相場比較」を明記する

「時給1,200円(最低賃金1,086円より114円高い)」のように、最低賃金との差額を明示すると求職者に「ここは高い」と伝わります。宮古島・石垣島の求職者は複数の求人を比較しています。数字で優位性を示すことが応募増加につながります。

実践2:給与以外の「離島ならではの待遇」を数字化する

住居費補助・食事補助・車両貸与など、離島特有の福利厚生は「月〇〇円相当」と金額換算して求人票に記載しましょう。住居費補助2万円+食事補助1万円なら「実質月収+3万円相当」と表現できます。

実践3:賃金改定のタイミングで「昇給ロードマップ」を示す

「1年後に月給5万円アップした」「2年でリーダー手当が付いた」という具体的なキャリアパスを求人票や面接で伝えることが、入社意欲を高めます。特に島外からの移住候補者は、長期的な賃金の見通しを重視します。

実践4:賃上げコストを助成金で補填する

業務改善助成金(最大600万円)やキャリアアップ助成金(重点支援対象者は最大80万円/人)を活用すれば、賃上げに伴う人件費増加を国の助成金で部分的にカバーできます。「上げたいが原資がない」という課題に、助成金を使う方法があります。

業種別:賃上げと採用への影響まとめ

業種 最低賃金改定の主な影響 採用戦略のポイント
飲食・居酒屋 繁忙期の深夜スタッフ確保コストが増加 深夜手当の明示・まかない・交通費で差別化
観光・宿泊 ハイシーズン限定雇用では集まりにくくなる 通年雇用+正社員転換で安定求人に転換
介護・医療 他業種との賃金差が縮まり離職リスクが増す 資格取得支援・処遇改善手当の明示が有効
建設・土木 技能職は既に最低賃金を大きく上回るが若手確保が課題 若手向け住居補助・車両貸与で移住採用
農業・漁業 最低賃金ぎりぎりの求人が多く競合他社に負けやすい 特定技能活用+業務改善助成金で生産性向上

賃金データの情報源と確認方法

宮古島・石垣島の賃金相場を自分で調べたい場合は、以下の情報源が役立ちます。

  • 沖縄労働局「統計情報」(公式サイト):賃金構造基本統計調査・毎月勤労統計の沖縄版
  • 沖縄県統計資料WEBサイト:沖縄県の賃金・労働時間・雇用の動き(月次PDF)
  • 求人ボックス「給料ナビ」:職種・都道府県別の求人掲載賃金の集計
  • ハローワーク宮古・八重山:地域の求人票データを職員に確認できる(無料相談可)
最低賃金の計算ツール:月給制社員の最低賃金チェックには、沖縄労働局の「最低賃金計算ツール」が便利です。通勤手当・住宅手当などを除いた賃金が時間換算で最低賃金(2026年12月2日からは1,086円)以上になるか必ず確認してください。

よくある質問

Q. 宮古島・石垣島の最低賃金は沖縄県と同じですか?

はい、沖縄県内は離島を含めてすべて同一の「沖縄県最低賃金」が適用されます。2025年12月1日から時給1,023円、2026年12月2日からは時給1,086円です。一部の特定業種最低賃金(糖類製造業・新聞業など)は別に設定されていますが、一般の事業者は地域別最低賃金に従います。

Q. 月給制の社員が最低賃金を下回っているか、簡単に確認する方法は?

「月給(基本給+役職手当など)÷ 1ヶ月の平均所定労働時間」で時給換算します。例:月給200,000円・月の所定労働時間176時間の場合、200,000÷176=約1,136円。2026年12月2日からの1,086円も超えているので問題ありません。

Q. 最低賃金を下回った場合はどうなりますか?

最低賃金法違反となり、50万円以下の罰金が科せられる場合があります。また、差額分は遡って支払う義務があります。発覚した場合の信用損失も大きいため、毎年12月(改定月)に必ず全社員の時給換算確認を行うことをおすすめします。

Q. 賃上げにかかるコストを助成金で補填できますか?

はい。業務改善助成金は事業場内最低賃金を50円以上引き上げ設備投資を行うと最大600万円が受給できます(2026年9月申請開始)。キャリアアップ助成金の賃金規定等改定コースは、全非正規労働者の基本給を3%以上引き上げると1人あたり最大7万円が支給されます。

まとめ

宮古島・石垣島の賃金環境は、2025年12月の1,023円、2026年12月の1,086円と続く最低賃金の引き上げを機に、大きな転換点を迎えています。

  • 沖縄県の平均賃金は、都道府県の中でも低い水準が続いている
  • 求人の月給では建設が高めで、農業・農作業補助は最低賃金に近い求人が多い
  • パート時給は最低賃金に近い求人から、それより高い求人まで幅がある。地域の同じ職種の求人と比べて設定する
  • 賃上げコストは業務改善助成金・キャリアアップ助成金で補填できる
  • 「給与の高さ」だけでなく、住居補助・食事補助などを金額換算して求人票で訴求することが離島採用の差別化になる

賃金データを「コスト」ではなく「採用投資」として捉え直すことが、宮古島・石垣島で持続的に人材を確保するための第一歩です。

参考情報源:
沖縄労働局「最低賃金」:https://jsite.mhlw.go.jp/okinawa-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/saiteichingin.html
沖縄県統計資料WEBサイト:https://www.pref.okinawa.jp/toukeika/
賃金構造基本統計調査(政府統計):https://www.e-stat.go.jp/