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【2026年12月改定】宮古島・石垣島の最低賃金1,086円|パート・アルバイト採用への影響と対策

宮古島・石垣島の最低賃金は1,086円になります

1,023円 → 1,086円(+63円)

発効日:2026年12月2日/沖縄県内は宮古島・石垣島を含めて全域が同じ金額です。市町村ごとの違いはありません。

12月2日以降に1,086円を下回ると法律違反になります。パート・アルバイトだけでなく、月給・日給の人も対象です。まずは下の5つを確認してください。

12月2日までにやること

  1. 全員の時給を洗い出す(試用期間中の人も含む)
  2. 月給・日給の人を計算で確かめる(計算のしかた)
  3. 新人だけでなく、長く働く人との差も含めて賃金を見直す
  4. 出している求人票の時給を1,086円以上に直す
  5. パートの年収の見込みを面談で確認する(扶養内で働ける時間が減るため)

月給の場合:月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間 ≧ 1,086円。平均所定労働時間が160時間なら、173,760円が下限です(通勤・皆勤・家族手当、残業代、賞与は含めずに計算)。

賃上げに使える業務改善助成金は、沖縄県では2026年11月30日が申請期限です。時給を50円以上上げて設備などを入れると、費用の4/5または3/4が助成されます。交付決定の前に買った設備は対象外です。業務改善助成金の記事へ

チェックリストと人件費の計算表をまとめた「沖縄県の最低賃金1,086円 対応ガイド」(PDF・無料)もお配りしています。この記事では、改定が島のパート・アルバイト採用にどう影響するかを、くわしく解説します。

沖縄県最低賃金の推移

年度時間額引き上げ額発効日
2023年度(令和5年度)896円—2023年10月
2024年度(令和6年度)952円+56円2024年10月9日
2025年度(令和7年度)1,023円+71円2025年12月1日
2026年度(令和8年度)1,086円+63円2026年12月2日
発効日は10月ではなく12月です

多くの都道府県は10月に発効しますが、沖縄県は2年連続で12月発効となっています(2025年度は12月1日、2026年度は12月2日)。「10月から上がる」という全国向けの記事を読んで早合点しないよう注意してください。逆に、12月2日以降に1,086円を下回っていると法違反になります。

島のパート・アルバイト採用に効く3つの影響

影響1:扶養内スタッフの稼働時間が減る

最も見落とされやすく、かつ現場への打撃が大きいのがこれです。時給が上がると、扶養の範囲内で働くスタッフは同じ年収に達するまでの時間が短くなります。つまりシフトに入れる時間が減ります。

時給130万円に達する年間労働時間週あたり
1,023円(改定前)約1,271時間約24.4時間
1,086円(改定後)約1,197時間約23.0時間
差約74時間の減少約1.4時間の減少

扶養内パートが10名いる事業所なら、年間740時間の労働力が失われる計算です。人件費が増えたうえに稼働時間まで減るという二重の負担になります。この構造と対策は最低賃金1,086円と年収の壁の解説で詳しく計算しています。

影響2:最低賃金では応募が集まらなくなる

改定日には周辺の競合もいっせいに1,086円へ上がります。つまり最低賃金ちょうどで募集しても差別化にはなりません。1,086円は「これ以下だと違法」というラインであって、「これで人が採れる」水準ではないという切り分けが必要です。

業種によっては、最低賃金より高い時給で募集している求人もあります。業種別の実勢相場は宮古島・石垣島の賃金データ、石垣島に限った相場は石垣島の業種別賃金相場で確認できます。

影響3:既存スタッフとの賃金の逆転が起きる

見落としやすいのがこの問題です。新人の時給を1,086円に引き上げた結果、3年働いているベテランと同じ時給になってしまうケースです。

これを放置すると「長く働いても報われない」という不満が生まれ、ベテランから辞めていきます。最低賃金の改定時は、新人だけでなく賃金テーブル全体を見直す必要があります。勤続年数や役割に応じた差を意識的に作り直してください。

人件費はいくら増えるか(勤務時間別)

63円の引き上げが年間いくらの負担増になるかを、勤務パターン別に試算しました。

勤務パターン1人あたり年間増加額10名の場合
週15時間(扶養内・短時間)約49,000円約49万円
週25時間(扶養内・標準)約82,000円約82万円
週30時間約98,000円約98万円
週40時間(フルタイム)約131,000円約131万円

これに加えて社会保険料の事業主負担分(おおむね賃金の15%前後)も連動して増えます。上表の金額に1割から1割5分を上乗せして資金計画を立ててください。

12月2日までに、あわせて確認すること

冒頭の「12月2日までにやること」の5つに加えて、次の2つも確認してください。

  • 就業規則・賃金規程:時給や月給の金額を書いている場合は、書き換えの手続きが必要です
  • 1年間の人件費がいくら増えるか:上の試算表に、社会保険料の会社負担分(賃金のおよそ15%前後)を足して計算します

賃上げ原資をどう作るか:4つの対応策

1
助成金で設備投資と賃上げをセットにする
事業場内最低賃金の引き上げと設備投資を同時に行う場合、業務改善助成金の活用が検討できます。申請には計画書の準備期間が必要なため、発効直前ではなく今から動くことが重要です。使える制度の全体像は沖縄離島の補助金・助成金ガイドで整理しています。
2
採用回数そのものを減らす
1人を採用するたびに求人の費用や面接・教育の手間がかかることを考えると、定着率の改善は大切な原資確保です。3か月以内の離職をゼロに近づけるだけで、年間の採用コストは大きく下がります。具体策は辞めない職場をつくる7つの施策を参照してください。
3
時給以外の条件で勝負する
賃上げ余力が限られる場合は、シフトの柔軟性・通勤補助・住居サポートなど、実質的な可処分所得を上げる方法が有効です。車通勤が多い島では、ガソリン代の補助は求職者にとって大きな価値があります。
4
求人票の表現を見直す
同じ条件でも書き方で応募数は変わります。時給を上げられないなら、まず求人票の改善に取り組むほうが、費用対効果が高いこともあります。改善点は求人票診断・改善8ポイントにまとめています。

今後の見通し

2023年度の896円から3年間で190円(約21%)上昇し、年平均60円以上のペースが続いています。政府は「遅くとも2030年代前半のできる限り早い時期に、全国平均1,500円を達成する」という方針を示しており(2026年7月の骨太方針)、当面この傾向は続くと見るのが現実的です。

3年先を前提に計画する
仮に年60円前後の引き上げが続けば、2029年度には1,260円前後に達する計算になります。単年度の対応として捉えるのではなく、「3年後に1,250円を払える収益構造をどう作るか」という視点で価格改定・業務効率化・設備投資を計画してください。

2027年度(令和9年度)の沖縄県の最低賃金はいつ、どう決まる?

2027年度の金額は、まだ決まっていません。毎年、次の流れで決まります。

時期(例年)何が決まるか
夏国の中央最低賃金審議会が、都道府県ごとの引き上げの「目安」を示す
夏〜秋沖縄地方最低賃金審議会が、沖縄県の金額を答申する
答申のあと異議の申し出の手続きを経て、沖縄労働局が金額と発効日を決める
秋〜冬新しい金額が発効する(沖縄県は2025年度・2026年度とも12月)

2026年度は、国の目安どおりなら沖縄県は1,079円になる計算でしたが、沖縄の審議会は目安を上回る63円の引き上げ(1,086円)を答申しました。目安の段階の金額で準備を終えず、沖縄県の答申と発効日を確かめることが大切です。

金額の予想より、「毎年上がる」前提の備えを
2027年度の金額は、決まるまで分かりません。この記事では予想の金額は示しません。そのかわり、毎年上がることを前提に、賃金の決め方、価格の見直し、仕事の効率化を1年の計画に入れておくことをおすすめします。12月2日までにやることや、使える支援は「沖縄県の最低賃金1,086円 対応ガイド」(無料)にまとめています。

出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申状況」(2026年9月3日公表)、中央最低賃金審議会「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」、内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2026」

よくある相談

Q. 宮古島と石垣島で最低賃金は違いますか?

違いません。最低賃金は都道府県単位で定められるため、沖縄県内であれば那覇市も宮古島市も石垣市も同じ1,086円です。ただし実際の募集時給の相場は地域・業種によって差があります。

Q. 12月2日より前に引き上げても構いませんか?

問題ありません。最低賃金は下限を定めるものなので、前倒しでの引き上げは自由です。年末年始の繁忙期前に先行して引き上げ、採用力を高める判断をする事業者もあります。ただし一度上げた賃金を下げることは不利益変更にあたり原則できないため、原資の見通しを立てたうえで判断してください。

Q. 月給制のスタッフも対象ですか?

対象です。月給を1か月の平均所定労働時間で割った金額が1,086円以上である必要があります。計算に含められるのは基本給と毎月固定で支払う手当のみで、通勤手当・皆勤手当・家族手当・時間外手当・賞与は除外します。これらを含めたまま計算すると、足りているように見えてしまうので注意してください。

Q. 外国人スタッフにも適用されますか?

適用されます。最低賃金は国籍・在留資格・雇用形態を問わず、すべての労働者に適用されます。特定技能外国人については日本人と同等以上の待遇が求められるため、最低賃金ちょうどの設定は適切ではありません。詳細は特定技能の給与・待遇7つのポイントをご覧ください。

Q. 2027年度(令和9年度)の沖縄県の最低賃金はいつ決まりますか?

例年、夏に国の審議会が引き上げの目安を示し、そのあと沖縄地方最低賃金審議会の答申を経て、秋から冬にかけて新しい金額が発効します。2026年度は9月3日に答申があり、12月2日に1,086円になりました。2027年度の金額は、2027年の夏から秋にかけて決まる見込みです。決まり次第、この記事でお知らせします。

全国との比較:沖縄は全国で最も低い金額を1円上回る

2026年度の改定で、全国の最低賃金は加重平均で1,177円となりました(厚生労働省、2026年9月3日公表)。沖縄県の位置づけは以下のとおりです。

区分金額沖縄との差
最高額(東京都)1,280円194円
全国加重平均1,177円91円
沖縄県1,086円—
最低額1,085円1円

長らく全国最下位グループにあった沖縄県ですが、今回の63円という大幅な引き上げにより、全国で最も低い金額(1,085円)を1円上回る結果となりました。ただし全国平均とは依然として91円の開きがあり、島外・県外との賃金競争という観点では厳しい状況が続きます。

時給以外にも影響する:月給・日給の換算に注意

最低賃金は時間額で定められていますが、月給制・日給制のスタッフにも適用されます。自社の賃金が最低賃金を満たしているかは、以下の方法で確認します。

月給制の場合

月給 ÷ 1か月あたりの平均所定労働時間 ≧ 1,086円

例:月の平均所定労働時間が160時間の場合
1,086円 × 160時間 = 173,760円 が最低ラインになります。

月給に含めて計算できるのは基本給と毎月固定で支払われる手当のみです。通勤手当・皆勤手当・家族手当・時間外手当・賞与は除外して計算する必要があります。これらを含めたまま計算すると、足りているように見えてしまうので注意してください。

日給制の場合

日給 ÷ 1日の所定労働時間 ≧ 1,086円

例:1日8時間勤務の場合
1,086円 × 8時間 = 8,688円 が1日あたりの最低ラインです。

週の労働時間別・年収シミュレーション

時給1,086円で働いた場合の年収の目安です(52週換算)。扶養の範囲内で働きたいスタッフとのシフト調整に使ってください。

週の労働時間年間労働時間年収の目安
週15時間780時間約84.7万円
週20時間1,040時間約112.9万円
週23時間1,196時間約129.9万円
週28時間1,456時間約158.1万円
週30時間1,560時間約169.4万円

ここで重要なのは、時給が上がったことで「同じ年収に達するまでの労働時間が短くなる」という点です。扶養の範囲内で働くスタッフは、これまでと同じ収入を得るのに必要な勤務時間が減るため、結果としてシフトに入れる時間が減ります。この構造については最低賃金1,086円と年収の壁の解説記事で詳しく計算しています。

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最低賃金の改定を、働く側はどう見ているのでしょうか。弊社が運営する島しごと図鑑の「宮古島の給料は、本当に安いのか」で、業種による時給の上がり方の違いや、手当で変わる手取りを、取材した会社の例とあわせて紹介しています。求人票に何を書くかの参考にどうぞ。

まとめ

  • 宮古島・石垣島を含む沖縄県の最低賃金は1,086円(+63円)、発効は2026年12月2日
  • 沖縄県は2年連続で12月発効。全国の「10月改定」とは異なる
  • 扶養内パートは1人あたり年間約74時間稼働時間が減る
  • ベテランとの賃金逆転が起きやすいため、賃金テーブル全体の見直しが必要
  • 最低賃金は違法ラインであって、採用できる水準ではない

※本記事は2026年9月時点の答申内容に基づいています。正式な発効内容は沖縄労働局の公示をご確認ください。