「石垣島で採用するとき、時給や月給をいくらに設定すべきか分からない」——そう悩む経営者・採用担当者の声を多く聞きます。
本記事では、沖縄県・ハローワーク統計・国勢調査をもとに石垣島の業種別賃金相場を2026年版にアップデートし、宮古島との比較・最低賃金改定の影響・採用競争力を高める処遇設計の実践策までまとめました。
- 2025年改定後の沖縄最低賃金(1,023円)と2026年改定見通し
- 石垣島の業種別平均賃金と宮古島との差異
- 観光繁閑期による賃金・採用への影響
- 求人票に効く「賃金の見せ方」実践策4選
目次
石垣島の賃金を取り巻く数字:まず全体像を把握する
石垣島の賃金水準を理解するには、沖縄県全体のベースラインと離島固有の要因を組み合わせる必要があります。
沖縄最低賃金は2020年の792円から2025年の1,023円へ5年間で231円(約29%)上昇しました。この上昇ペースは全国平均をほぼ同水準で追っており、石垣島でも中小事業者の人件費負担が大幅に増加しています。
中央最低賃金審議会は2025年の改定でも引き上げ方針を継続。業界予測では2026年度も沖縄最低賃金が1,050〜1,070円台に達する可能性があります。採用計画・求人票の時給設定は余裕を持って設計することを推奨します。
石垣島の業種別平均賃金(2026年版)
以下は、ハローワーク石垣・沖縄県労働局・求人サイト掲載データ(2024〜2025年度)をもとに算出した石垣島の業種別賃金目安です。月額は所定労働時間160〜170時間換算、年収は賞与込みの推計値です。
- 建設業(施工管理・技術職): 月給28〜40万円 / 年収380〜550万円
- 介護・医療(ケアマネ・看護師): 月給26〜35万円 / 年収340〜470万円
- ホテル(フロント・マネージャー): 月給22〜30万円 / 年収290〜400万円
- 飲食(店長・調理師): 月給22〜28万円 / 年収280〜360万円
- 農業(農場リーダー・マネージャー): 月給20〜26万円 / 年収260〜340万円
※求人サイト掲載データと沖縄県労働局統計をもとにした目安。企業規模・経験年数により変動します。
石垣島vs宮古島:賃金水準の比較
同じ離島でありながら、石垣島と宮古島では賃金水準にいくつかの違いが見られます。採用コンテンツや処遇設計の参考にしてください。
| 比較項目 | 石垣島 | 宮古島 |
|---|---|---|
| 有効求人倍率 | 1.61倍 | 1.8〜2.0倍 |
| 観光客数(2023年) | 149万人 | 120万人 |
| 建設業時給目安 | 1,350〜1,600円 | 1,400〜1,650円 |
| 介護・福祉時給目安 | 1,250〜1,450円 | 1,250〜1,500円 |
| ホテル・観光時給目安 | 1,100〜1,350円 | 1,150〜1,400円 |
| 飲食時給目安 | 1,050〜1,280円 | 1,100〜1,300円 |
| 島外人材の受け入れ傾向 | 積極的(観光業・建設業) | 積極的(観光業・介護) |
| 人口動向 | 微減傾向 | やや増加傾向 |
全体的に宮古島のほうがやや時給水準が高い傾向にありますが、差は50〜100円程度です。石垣島は宮古島に比べて人口が多く観光消費額も大きいため、特に観光・ホテル・飲食業では安定した求人需要が続いています。
宮古島は近年リゾートホテルの大量出店により求人競争が激化し、ホテル系の時給が上昇しました。一方で石垣島はクルーズ船入港急増(2023年:120回、前年比3.4倍)による観光消費の急拡大が続いており、2026年以降は石垣島側の賃金が追い上げる可能性があります。
観光繁閑期が賃金・採用に与える影響
石垣島の観光はシーズン性が強く、繁閑の差が採用・賃金設計に直結します。
- 超繁忙期(3〜5月・GW・7〜9月): 観光客集中、アルバイト需給ひっ迫。時給1,300〜1,500円超の求人が増加
- 通常期(6月・10〜11月): ダイビング客が中心。安定した需要が続く
- 閑散期(12〜2月): 入客数が減るが、島内居住者が少ないため正社員補充需要は一定
この繁閑差をうまく活用するため、正社員採用を閑散期(1〜3月)に集中させる事業者が増えています。繁忙期直前の求人ラッシュを避けることで競合が減り、採用単価を抑えられます。
最低賃金引き上げが石垣島の採用に与えた影響
2025年10月の最低賃金改定(792円→1,023円、5年間で+231円)は、石垣島の中小事業者に大きなインパクトを与えました。
業種別の影響と対応策
季節雇用・日払い契約が多く、最低賃金引き上げの直撃を受けやすい業種。一方で業務改善助成金(最大90円コース)を活用して設備投資と賃上げを同時に行う事業者が増加。石垣島のさとうきび・マンゴー農家では1〜3月の収穫期に島外人材を確保する動きが活発化しています。
時給が最低賃金近辺に集中していた業態では、賃上げ原資の捻出が課題。処遇改善加算の活用(介護系)やキャリアアップ助成金の正社員転換コースを組み合わせることで、実質コストを抑えながら賃上げを実現した事例があります。採用競争では「寮・食事付き」などの非金銭的処遇で差別化する傾向が強まっています。
技能職の時給は最低賃金を大きく上回っているため直接影響は小さいが、補助職・資材搬入スタッフなどで底上げ圧力がある。技能実習・特定技能外国人の活用が石垣島でも増えており、受け入れ体制整備への補助金も活用されています。
処遇改善加算I〜IIIの取得が進んでおり、資格保有者の月給は全業種の中でも安定しています。介護福祉士・看護師は離島手当相当として月2〜5万円の手当を設けている施設が多く、島外人材の引き寄せに効果を上げています。
採用競争力を高める「賃金の見せ方」実践策4選
石垣島では求人票の掲載件数が少ない分、表現の工夫が応募数に直結します。以下は採用担当者からのフィードバックをもとにした実践策です。
① 「実質年収」を前面に出す
時給や月給だけでなく、住宅手当・交通費・賞与を含めた「実質年収○○万円〜」という表記に変更することで応募率が上がる傾向があります。特に島外人材は住居費の見通しが立たないため、「月給22万円+住宅手当3万円支給+賞与年2回」のように可視化すると不安を解消できます。
② 繁忙期の「特別手当」を明示する
観光シーズン(7〜9月・3〜5月)に繁忙手当・特別賞与を設定している場合は、求人票に明記してください。「夏季特別手当:月5〜10万円(実績)」のような記載は、シーズン限定でも収入を増やしたい求職者に刺さります。
③ 最低賃金との差額を「競合優位性」として訴求する
最低賃金1,023円に対して時給1,200円なら、「業界水準より約18%高め」と表記できます。具体的な数字で示すと、求職者が他社求人と比較しやすくなります。
④ 補助金を活用した賃上げプランを社内で組む
業務改善助成金・キャリアアップ助成金を活用すると、事業者負担を抑えながら賃金を底上げできます。たとえばキャリアアップ助成金の正社員転換コースでは、転換1人あたり最大80万円(大企業40万円)が受給可能です。この助成金を賃上げ原資として組み込む「採用→育成→正社員転換」のサイクルを構築することで、求人の訴求力が上がります。
石垣島の賃金データを採用に活かすポイントまとめ
- 沖縄最低賃金は2025年時点で1,023円。2026年度も1,050〜1,070円台への引き上げが見込まれる
- 石垣島の業種別時給は建設業1,350〜1,600円が最高、農業・小売が最低賃金付近
- 宮古島との差は50〜100円程度。クルーズ船急増で石垣島側の賃金上昇も続く見通し
- 求人票では「実質年収」「繁忙手当」「競合比◯%高め」など数字を使った表現が有効
- 業務改善助成金・キャリアアップ助成金で賃上げ原資を確保し、採用競争力を維持する
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石垣島の賃金データを採用戦略に活かす方法については、石垣島での採用方法・完全ガイドをご覧ください。
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